「家内安全」
夏石鈴子
コレの続きです
「ゆっくり進む船が行く」
美穂は妊娠5カ月
事実婚の17歳年上の男、ススムの子を妊娠していた

ってまあこのススムって男がほんとクソで
事実婚で子を持つことはともかく
仕事もせずにこんなに年下の女に寄生してるし
内心では、自分の子を妊娠した女とそのお腹の子を引き受ける気はない
デリケートな妊娠中の女に平気で旅行に行きたいなどと言う(収入もないのに💢)
でも美穂は、不安な体でススムについて旅行に行く
ススムについていくなら、子どもは犠牲になってもいいとすら思っている
こんな男でも美穂にとっては必要な存在なのである…
ワカラン…育児してたらこんな男は負債でしか無いと思うけど。
以前も書いたとおりセックスの記述の多い小説なんですが
「子供はセックスの製品だ。セックスで子供を産むのは人間の特権。」
「セックスはもはや主食。ススムにしか与えられない栄養」
てなくだりがあり
いやー今の私には理解しがたい
首をひねりましたね😧
もしかしたら独身時代や妊娠中はそんなことを考えたこともあったのかなぁ
子供は愛(性行為)の結晶みたいな?
実際子が生まれて、毎日柔らかい命を向き合うだけの生活をしていると
これがあの性行為の果てに誕生した存在であるとうまく結びつかなくなるというか
いちばんそういうのとは遠い存在のように思えてくるんですよね、不思議と。
まあとにかく、いろいろハチャメチャ(に感じる)な美穂とススムなんだが
結局は子を成し「平凡な航海」を進む選択をした
いやススムなんかと一緒に平凡な航海ができんのかって感じだけど
平凡の基準もさまざまだしな
自分の子どもが保育園のころ、
保護者の母親はなんとなくみんな自分と同じような平凡な母親に見えた
そんななか、一人の母親の腕にタトゥーが入ってるのを見つけて
あたりまえだけど、共通してるのは「母親」って部分だけだもんな
いろんな人生を生きてきた人がいるよな
とハッとしたことを思い出した
みんな実は
それぞれさまざまな荒波ののち
「子を育てる」という平凡な航海に出る結果となったのかもしれない
って、他人事のように言ってるけど
私たち夫婦も傍から見たらそうなのかな…
そして、育児という「平凡な航海」もまた
結構な過酷さだったりするわよねー
あんバタートーストがいちばん好きさ

