海沿いのホテルにやってきた幼馴染の佐野と宮田
このホテルは5年前、佐野が妻の凪と出会った場所である
そして凪は少し前、突然死した

以前紹介した「泳ぎすぎた夜」と同じ監督作品なんですが
どこか共通する雰囲気もありつつ
私はこっちのほうが好きかな!
なんたってセリフがあるから話がわかりやすいし←
コチラは決して明るい話ではないのに、
観ていてなんだか心地よいところは共通している
亡き妻との思い出を辿り、5年ぶりに思い出のホテルに来たものの
佐野はすっかり自暴自棄になり荒れまくっているし
宮田は凪の死がきっかけかどうかはわからないが怪しげな宗教にハマりかけている
そのセミナーの名前が「SUPER HAPPY FOREVER」っていうね…
そして、思い出のホテルも今月末で倒産するっていう…
もはや悲しみを超えたどん詰まり感
どこにも希望が見えない現在をさんざん観せておいてからの
5年前の凪と佐野、宮田の出会いの回想になるっていう構成(泣)
凪と佐野&宮田は旅行先でたまたま出会い、意気投合するというありふれた始まりですが
現在の状況を前半で嫌というほど把握したからこそ
5年前のすべてが尊くまぶしい
恋がはじまる時のパワーや輝きが痛いほど伝わってくるぅ🥺
佐野と宮田
佐野と凪
このふたつの関係性のほかに
凪とホテルの従業員のベトナム人、アンの関係性が描かれます
凪とアンもまた宿泊した数日間ですが意気投合します
そして5年後、ホテルの倒産に合わせアンは祖国に帰ることになります
凪は、無くした帽子を見つけたら預かっておいて欲しいとアンに頼んでいました
5年後の現在において、アンの存在だけが希望だなと思いました
それ以外は何も変わらずに映画は終わるんです
佐野の絶望も、宮田の迷走も
だけど、赤い帽子をかぶって海を見ているアンのラストシーンは
なんだか希望を感じました…
観終わって漠然と浮かんだ言葉は
人生って旅のようだってこと
ドヤ![]()
また来るね!
絶対また会おうね!
と、約束してももう来ることはないし会うこともないということはよくある
凪は亡くなってしまったし
また会おうねと約束したアンに会うことは二度とない
アンは帽子を凪に返すことは二度とない
佐野と凪の出会いの瞬間に居合わせた宮田さえ
佐野とは袂を分かつかもしれない
運命的に結ばれた佐野と凪だけど
佐野が「凪は幸せじゃなかった」と述懐するように
もしかしたら想像していた夫婦関係とは違ったかもしれないし
いずれにしろ佐野は凪を永遠に失っている
アンが祖国を離れて日本で働いたホテルはいい職場だったけれど
倒産することになり、
最後の日には「また会いましょう」と仕事仲間とくちぐちに言い合ったけれども
帰国してしまうアンは二度と元・職場仲間には会わないように思う
数日、数時間、数分
行程がずれていたら
会わなかったかもしれない人
しなかったかもしれない経験
良いことも悪いこともすべて
旅の間だけでだけでなく、これって人生全体に言えることだ
だからなんだってわけじゃないけど
なんだか旅に出たくなった
出不精が何を云う
ちなみにずっと、物語の舞台は
日本の南の離島みたいな
なかなか行けない特別なリゾート地というイメージで観ていたんだが
よくよく調べてみたら
伊豆の海辺のホテル
とのことだった
あれ?伊豆ならなんか気軽に行けそう![]()

