映画
「Love Letter」4kリマスター版


 

 

30年経っても色褪せない名作を4kリマスター化





めちゃめちゃ有名作品ですが

今回初めて観ました



事前情報も

「中山美穂、恋人が死ぬ、手紙のやりとり」

くらいしか知らんかったニヤニヤ



カンタンにあらすじ書きますと



神戸に住む博子(中山美穂)は、二年前に婚約者の樹を山の事故で失っています

三回忌で、樹が幼い頃住んでいた小樽に行きます

樹の実家で、中学の卒アルを見せてもらい

名簿に載っている樹の住所を知ります

(ちなみに樹の両親はその住所からは引っ越していて、そこには現在誰も住んでいない)


樹が忘れられない博子は、誰にも届かないと知りつつ

樹あてに手紙を書きます



…と、

なぜか


返事キタ!!キャーーッ😱



カラクリは

樹は中学時代、3年間クラスに同姓同名がいたんです

男の藤井樹と、女の藤井樹(中山美穂)



この映画、中山美穂が二役やってるって初めて知った!!



博子が控えた住所は、藤井樹(女)の住所だったのです



そんなことから


中山美穂(博子)×中山美穂(女藤井樹)の

不思議な文通が始まります




博子は、樹を失った喪失感を埋める手紙

樹(女)は、中学時代の同姓同名の樹(男)を思い出す手紙



そういう二つの意味でのloveLetterだと解釈しました



途中で樹の中学時代の回想シーンが主になってくるんですが

中学時代の柏原崇さん(男藤井樹)と酒井美紀さん(女藤井樹)

めっちゃ良いです〜照れ



名前が同じってことでなにかと関わるハメになり
しかもそれをまわりからからかわれたりして

あの、ぎこちなくて居心地悪いけど嫌いとは少し違う
思春期の男女感が懐かしい



ダブル樹は小樽に住んでいるんだが
雪原を歩く制服姿の女の子

上差しこの前観た「路上のルカ」でもそんなシーンあって
約30年たっても同じモチーフを描く岩井俊二監督はすごい



とにかく、全てが美しく
ストーリーもひとつも無駄がなく感じる奇跡の超絶技巧の作品


なにより、中山美穂が本当に宝石みたいに美しい

傷ついていて、大人しくて声も小さい博子と
明るくてさっぱりしている樹(女)の、正反対のタイプを演じています


現在、博子を心から想い
樹にとらわれたままの博子の心を何とかしたいと考えている男性、秋葉(豊川悦司)

若い頃の豊川悦司がまた美しいびっくり

当時「愛していると言ってくれ」「青い鳥」「UNDO」みたいな役のイメージだったから
関西弁でめっちゃ喋る役新鮮気づき



ただねぇ


樹が死んでまだ二年
ってのがちょっと引っ掛かる


秋葉、いくら博子が好きだからって
吹っ切れ吹っ切れと圧をかけすぎじゃね?まだ二年よ?


しかも秋葉は樹の山岳事故に同行してたっていうのにさ


ちなみに、樹の山岳事故の内容を聞いて震えた
ひとり深い谷底に落ちて、誰も助けることもできず松田聖子の歌を歌いながら息絶えたとな…滝汗

岩井俊二作品の、美しい中に突然現れる残酷さコワいチーン


まだ三回忌だというのに、
樹の父親が三回忌を口実に仲間と飲み会したがってるという描写もなんか違和感
まだ息子が死んで2年ですけど…ガーン


樹(女)家族が、中学時代に父を失ったことを
いまも乗り越えられてないことを思えばすごいギャップじゃないですか?



あと、2020年の岩井俊二作品「ラストレター」←またレターだ!
ここにも豊川悦司×中山美穂カップルが出てきます
なんと
DV男とカサンドラ内縁妻みたいな、かなり荒んだふたりとして…


もちろん秋葉と博子ではなく別の人物としてですが
岩井俊二監督、これに意味はあるんでしょうか?


LoveLetterのラストで、過去と決別して新しい希望いっぱいだったふたりが…
みたいにどうしても関連付けてしまうよね


ただ、樹の気持ちよりも自分の好きだという気持ち優先で
ガツガツ来る秋葉のキャラを思えば


この後のふたりがかならず幸せになったとも限らないってことかなぁ
と、深読みしてしまったりして…滝汗



とにかく、「LoveLetter」に関しては、30年経っても全く色褪せない
むしろ輝きが増してるような作品だと思いました