「うどん、キツネつきの」
高山羽根子
コレ
の続きです

「シキ零レイ零 ミドリ荘」
ミドリのおばあちゃんが大家兼管理人を務める
ボロアパート「ミドリ荘」
魔法が使えるようになったという篠田のおっちゃん
おかしな日本語を喋るベトナム人のグエンさん
古代文明マニアの大学生、タニムラ青年
ネットスラングで会話するほぼ引きこもりのエノキ氏
押しの強すぎる中国人の王さん
ミドリの隣に住む母子家庭のキイ坊
なんかちょっとアレな人々のまわりにときどき起こる不思議な現象

これもまた…不思議なハナシ
ボロアパートに住むちょっとおかしな人物たちを
子供のわりに妙に物慣れた風情のミドリとキイ坊のシニカルな目線で描く
というストーリーだけでもぜんぜんおもしろいんだが
グエンさんの身につけた勝負下着が突然発光して空に浮かんだり(!)
ボロアパートの虫食いだらけの壁が、古代文字だったり(!)
ミドリがふと見上げた空に、巨大な銀黒の球体が現れたり(!)
また突然のSF!!
これをどう処理していいかわからない
終盤にキイ坊の仮説として
謎の球体は未来または宇宙から来て、現在の地球のデータを集めているのではないか
という見解がなされる
これはどういうことなのだろうか
もちろんこれはキイ坊の仮説であり、真偽はわからない
でもきっと
篠田のおっさんが娘への思いが届かないのも、
ミドリとキイ坊それぞれに親がないのも
(正確には、ミドリは祖母と2人で暮らしており、キイ坊の母は忙しくて家にいないシングルマザー)
なにか意味があって
ミドリ荘や、ミドリ荘で過ごした日々も
全部謎の球体のデータに残り続けるだろう
そう思いながら、また新しい日々が始まる
そんな話なのかなと解釈した
