「リビング」
重松清
コレの続きです

「いらかの波」
小さな港町で交差する人生
夫婦になりはじめの二人、
夫婦の生き方を模索し始めた二人、
かつて夫婦だった一人

3組の「家族」のかたちが描かれます
①
出来ちゃった婚で故郷を捨ててこの町にきた若夫婦は
子供たちのためにも必死に日々を生きる毎日だが、
ふとこれでよかったのかと不安になることがある
②
夫の故郷であるこの町に帰省した夫婦に子供はなく、
都会での忙しい共働きの生活でほぼ安定している。
でも、故郷の年老いた両親を思うと落ち着かない気持ちになる
③
この町の風景や町の人を写真におさめにきたカメラマンの男には
かつて家族がいた
元・家族の話は今はだれにもしないし、独身主義者ということにしてあるが
ときおり、「もしあの時ああしていたら、今も家族のそばにいたかもしれない」
と考えている
三者三様といえるのですが
共通して
選ばなかった人生のことを考えています
これは未練がましいとか諦めが悪いとかじやなく
けっこうみんなそうじゃないかな?
って思う
外側から見た他人のことは眩しく見えるし
過去の自分や
もしもの世界線の自分のことはいつまでも気になる
私だってそうですよ
もし、
亀に生まれてきてたらなーって…
そこから?
でも、結局目の前にあるのは
今の自分の今の生活で
この3組の登場人物だってそれはわかりきってると思うけど
手にしてるものだけを持って
できることやって生きていくしかないんですよね
でもそれが、私だけじゃなくてみんなもそうなんだと思ったら
少しだけ勇気が出るかな…?って思った
