「現代生活独習ノート」
津村記久子
コレの続きです

4話目
「牢名主」
搾取する側…A群
搾取される側…B群
とある人間関係モデルに由来したこの分類のうち、
A群によってトラウマを抱えるB群たちの自助グループに参加した主人公

この、A群B群の「搾取」というのは、おもに感情の搾取で
A群は
たとえばターゲット(B群)に距離なしでおせっかいを焼いてくるとか、
恋愛関係など、B群の人間関係にまで踏み込んでめちゃめちゃにしたり
執着してつきまとったり
つまりA群とは
現代ではだいぶ認知された
「パーソナリティ障害」みたいなモノだろう
主人公も、過去にA群に搾取され疲弊しつづけたトラウマがあり、
なんとか抜け出したいとB群が集まる自助グループに参加するのだが
同じ境遇を持つB群同士のはずなのに
微妙に分かり合えない人がいたり、
さらにそこには、
「B群を導いてあげる」みたいなスタンスで上からモノを言うような
これはこれで搾取するタイプの人も混じってるというお話です
コミュニケーションが苦手なタイプが多いB群のコミュニティにわざわざ割り込んで
「コミュ強」としてえばっている人
そういう様子が「牢名主」というタイトルに繋がるのかなと推察しました
A群もB群も関係なく、人は多くの場合
「自分の存在理由」や「自分の存在価値」を探していて
それを「人からの評価」から見いだそうとするとしばしば
その気持ちにつけ込んで振り回されたり消費されたりしてしまう
そんな恐ろしさを感じました
誰かからの評価で自分の価値を決める生き方よりは
コツコツ編み物でもして、できた大作に達成感を感じたほうがよほど自分のままでいられる
主人公は最後、転職して編み物を習い始めます

私も誰かの評価を気にして気持ちが揺れる日は、
目の前にある今すぐできることを無心でコツコツやろうと思いました
掃除とか、料理とか
ダイエットとかね
ウォーキングとかもいいかな
