「ポースケ」
津村記久子

コレの続きです下差し
「ヨシカ」


ヨシカは、自身の店「食事・喫茶 ハタナカ」で開催されるイベント
ノルウェーのお祭り「ポースケ」を明日に控えていた

会社員だったヨシカが仕事を辞め、
カフェをやろうと決心してから7年が経つ。



これまでの章、その主人公たちをつなぐ中心にあるのが

「ハタナカ」と店主のヨシカである


そのヨシカについての章が最終話直前にあることに意味を感じました



いろいろな人びとの群像劇、

その人びとの共通項である店の主人であるならば

まるでその人だけはなにがあっても昔からこの先の未来までずっと変わらない

恒久的な存在だと勘違いしそうになる。



特に、ヨシカはこれまでの章でも安定した人物として描かれている



だけど当然
ヨシカもこれまでの主人公同様にひとりの人間であり、歴史があり

いろいろなことに心を揺さぶられたり、
迷いながら手探りでこの場所まで流れついた一人である



ヨシカは昔、会社員をしており
媚びずにやるべきことに的確に邁進する姿勢で、高い評価を受けていた

しかしその一方、
能力を認められればられるほど、社内で孤独も深めており


その孤独を唯一分かり合えた
年上の女性上司との出会いと別れを経て、
ヨシカは「ハタナカ」をはじめることになります。


強いだけの人なんていない
迷わない人なんていない
永遠の命を持つ人もいない


だからこそ手探りで少しずつ
少しでも自分が呼吸しやすい世界を見つけようとするのかもしれない

失敗してもやり直したらいいんだから

と、そんな感想を抱きましたニコニコ


 

 






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