オケタニアザミは高校3年生
バンドはボーカルに引っ叩かれて解散するし
進路は決まっていないし
歯の矯正器具は取れないし
彼氏もいないけど
アザミには大好きな音楽がある

この小説
高校生のときに読みたかった…!
以前ちょっと書いたんだけど
私の高校生時代の心のバイブルは、藤野千夜の「午後の時間割」でした
この小説もきっと、高校生の私のお守りみたいな存在になっていたことだろう
アザミが意図せず、それどころか良かれと思って言ったりやったりした事が
想像以上に周囲の不興を買うというところ
当時の自分に思い当たるところありまくり
自分の愛する音楽に没頭することが唯一にして最大の自分のお守りでもあるし
逆にそれしか強みがない自分を滑稽だとも思う
そんな感覚にもまた共感しました…
でも、この小説の女のコたちは主人公含め
イヤなヤツ、誰かを傷つけるヤツを成敗したる!
という瞬発力が強すぎて
ハラハラしたりスカッとしたり。
あんなヒドいことする奴、今すぐ追いかけて首根っこ掴んでああしてこうしてやりたい…!
私に力をくれ…!
って奥歯をギリギリすることは今の私にもある
実際にはできないけども…
ベタベタしないけどもクールでアツい女子の友情がグッときました
「親友だお★」とか「ズッ友だお★」とか言わないのに
何気ないセリフやモノローグから
友への想いが伝わってくる⋯!
卒業という言葉だけでは実感が沸かないけど
長いことしていた矯正器具が外れること
毎日当たり前に会っていた友達と会わなくなること
いま居る人をいつか喪うかもしれないこと
そんなふうに、すべては経過するのだとある日ふと鮮やかに実感する感覚を
私も知っていると思った
すべてのことは流れて、変わっていくけど
自分の中にはお守りがある
そのお守りさえも形を変えていくかもしれないけど、
確かに自分を守っていることは変わらない
ちなみに、
歯科医院の先生やアザミの両親、東京弁の先生など
魅力的な大人キャラも印象に残りました
