「ディス・イズ・ザ・デイ」
津村記久子

コレの続きです下差し
第6話
「龍宮の友達」

出てくるチーム
白馬FC✕熱海龍宮クラブ

核となる人間関係
睦美とパート先の同僚・細田さん

好きな一文
「自分はその幕引きに耐えられると思った」




どの章、もっというと著者のどの作品にも言えると思うんですが

踏み込みすぎないけれど相手を思いやる、尊重し合う人間関係が良い。


この章の

睦美と細田さん、睦美とその娘・日芙美との関係性もそうだ。




睦美の同僚、細田さんは

夫が亡くなったときさえも自分からはそれを語らない寡黙な人


そんな細田さんが、

生前の夫の知られざる一面を知り、睦美に相談してくる

実は亡くなった夫は、熱海龍宮クラブのサポーターだったのだ



睦美は睦美で、

娘の不登校や夫の浮気問題から救いを求めるように

白馬FCのサポーターになっていた



細田さんの夫のことを知るためにも、ふたりは

熱海龍宮✕白馬の観戦に出かける




お互いいろいろな悩みや境遇を抱えつつ

それを、お互いに察してさりげなく思いやるような関係性が暖かい




物語の最後、睦美は不意に
自分を信じて一歩ふみだせそうな予感を感じる


それは、生前の細田さんの夫のことが少し分かって
そのときの細田さんの様子や
健闘した両チームや、怪我から復帰した新垣選手から
勇気を得たせいなのかなと思った


サッカーチームを応援する気持ちが、まわりまわって自分の人生に少し勇気をくれるって
すごく良いなと思いました