「浮遊霊ブラジル」
津村記久子
コレの続きです

「個性」
大学の同級生、坂東さんが突如として
毎日ものすごいトンチキな格好で登校してくるようになった
どうやら、坂東さんの顔がうまく認識できない同級生・秋吉くんに関係がありそう…
そんな二人を困惑しながら見守る森さん(主人公)は…

坂東さんは自分に自信がない
飲み会でクソバイス男に煽られて地味な服装に変えたり
秋吉くんに認識されるために一生懸命トンチキな格好をする
だけど坂東さんはとても優しい人であり、
それをわかってあげられる森さん(主人公)との交流が暖かく心地よかった
たとえば、
坂東さんは幼い頃吃音で苦しんでいたせいか、直接会ったときはあまり話が弾まないのに
会って別れたあとに丁寧な長文メールが届き
森さんと坂東さんは直接会う時間よりメールで会話する時間のほうが長い
そういうコミュニケーションの仕方を
煩わしいとかまどろっこしいと思う人も多いと思うのだけど
それを受け入れたうえに
坂東さんと秋吉くんのチキンレースをなんとかしたいと考える森さんは優しい
それにひきかえ、
なんなんだよ秋吉…!
坂東さんの顔が認識できないなんて、薄情すぎるだろ…!
と、思ったんだが
秋吉の坂東さんへの想いも
これまたなんだか暖かいもので、不意打ちにジンとした〜!
なんだよ秋吉いいやつじゃん〜
てかなんか、いい感じじゃん〜
それを見届けて、やれやれという感じで去って行く森さん(主人公)も
なんかカッコ良いのでした