OLのヨシノは、楽しみにしていた屋久島旅行を泣く泣くキャンセルし
招待された友人カップルの結婚式に出席することとなった
結婚式だけでなく、二次会の仕切りや
なぜだか別のカップルのプロポーズ大作戦にまで巻き込まれ

すっごい好みの小説!
そして、
映像化してほしい!!
ドラマでも、できたら映画がいい!
私の今まで読んだ津村記久子作品のなかでは
かなり明るいイメージ
そして、ラストも
「なんだかうっすら明るい感じ」という印象の作品が多いのですが
この作品のラストは、はっきりと暖かく明るくて
映像化にぴったりじゃない?
と思うんですよね〜
私が好きなシーンは
故人を巡ってドロドロの言い争いを始めたオバサンたちに
突如トイレから出てきたヨシノが一喝するところ
めっちゃすっきりして面白かった
珍しく主人公が(ヤケクソにではあるが)はっきりモノを言っていて新鮮
あとは、自分が急遽抜けてしまったせいで
雲行きが怪しくなってしまった友人カップルのために
ヨシノが葬儀会場から動画メッセージを送るところ!
ここもジンワリ面白くてお気に入りです
一方で、「お呼ばれ」されたら断れない側の憂鬱さも描かれます
ヨシノも、どこかの段階で「それは無理です」って断っても良かったと思う
だけどそれを言い出せない、そのタイミングすらわからないという
生真面目で優しいタイプの人もいるんですよね
ちなみに私はこの小説を読んで
自分の結婚式でのなんとも言えない居心地の悪さの正体がわかった気がしました
私らなんかのために、貴重な休みを使って人を呼んでしまった
この気持ちね?
思えば、私もヨシノと同じ「人を呼びつける経験」があまりない人間だったと思って。
だけどヨシノは、自分にも人を呼びつけた経験があったことを思い出す
失恋と面接落ちで凹んでいるところを友人カップルに救われた思い出である
そんなふうに、人生で何回かは人は人を呼びつけるもんなんだ
生まれたときと死ぬ時なんかもそうだよね
個人的には出産したときもそうだったかも
そして、葬儀で「泣く」ということ
たとえば死んだ奴がクソクソのクソだったとしても?
もしかしたら、故人のキャラとはあまり関係ないのかもなとも思う
もちろんクソすぎて涙どころか含み笑いの葬式もあるでしょうが
ああいうところではイヤでも「人生」について考えさせられて
今での自分の人生、そしてこれからの命のことを思って自然と泣けるのかもしれない
結婚式も同じで
私はそれほど親しくない人の結婚式で泣いたこと何回かありますビデオメッセージがヤバい
あれもきっと、自分の人生となんだか重ね合わせてしまうってことなのかな
特に、ラストシーンが好きなんです
ドタバタで腹ペコで散々な一日のおわりに
予想外に誰かと落ち合って暖かいものを食べに行く
人を呼びつけるのは苦手だけど
いつでも会いに行きたいと思ってくれる人がいる
人生は永遠じゃないけど、とりあえず今は時間がある
は〜もうだれか映像化してぇ〜