「君は永遠にそいつらより若い」
津村記久子

コレの続きです下差し

STEP.1過去の暴力に立ち向かい愛を見つけるまでの旅



物語の終盤、ホリガイは
過去ではない現在進行形の暴力を止めるという行動に出る
被虐待児を救うという行動だ


日常に潜むさまざまな暴力を
なるべく気にしていないかのように生きているように見えるが

ホリガイは誰かの痛みにとても敏感である

それでも、暴力というものはあまりに濫用されていて
簡単に止めたり癒したり解決できるものではない


それが、イノギさんとの交流や
吉崎くんから聞いた穂峰くんの最期の言葉を知ることで


不思議なパワーでもって
「暴力」に打ち勝つという経験をする


でもそれは、あくまで現在進行形の暴力だから出来たことで
過去の暴力に打ち勝つ術はあまりに少ない

被害を受けた者にとっては、現在も進行形で苦しんでいるというのに


ホリガイはそれでもいてもたってもいられずに
「過去の暴力」に立ち向かうことにする


このラストが、冒頭のシーンと結びつくのである

最初に冒頭部を読んだ時は、途方もなく暗いシーンだと思っていたが
これは、ホリガイが愛を見つける長い旅だったのだと最後にわかるのだ


人間の野蛮さに恐ろしくなったり
うんざりするようなことばかりの物語だったが

野蛮だからこそ、人間は愛し合えるのかもしれない

最後の1ページで、急にどくどくと暖かい血が心臓に流れてくるような
急に心強い気持ちになった



あまりにいろいろな感想を持ったものの
全くまとまりませんでした…滝汗


この小説は映画化されているらしいので下差し