「ファースト・プライオリティー」
山本文緒
コレの続きです

「更年期」
若い頃から会長の愛人として社内でのし上がり
バリバリ働いてきた女性が主人公
そんな彼女が、まだ31歳だというのに早期更年期障害になった
自分でもコントロールのできない心と体のコンディション
なにより、愚鈍でヒステリックなオバサンだと思っていた年上の部下・宮内とまるで同じ状態…

人はいつしか老いる。
基本、それだけが平等だ。
そして、どんなに話に聞いていても
自分が経験しない辛さは本当の意味では実感できない。
主人公は予期せず更年期障害を経験することで、
これまでみっともないと思っていた宮内の辛さを初めて思いやる
ただ、主人公と宮内のふたりが共有できそうな辛さは
いまのところ更年期障害だけで
恋をしたことのない主人公の秘めた寂しさや
作中では語られないけれど、宮内には宮内の事情もきっとあるだろう
だけど、お互いの辛さの一部を知っている
そう思えば、お互い少し思いやりが持てるはず…
更年期、まだ本格的には実感したことないけど
聞くのと体感するのとではだいぶ違うんだろうなぁ…
びくびく。

