

前章の多香実の夫、秀介サイドの物語
前章では、イラついて仕方なかった秀介なんだが
うん、秀介は秀介で当たり前だけど大変なんだな…ってわかる。
前回わたしは
「妻だって仕事してる!!」みたいなことを繰り返していたんだが、
それは夫だって同じ。
妻が、仕事に子どもの対応に家事にいろんなことを両立させている
という大変さは確かにあるし、
妻が抱く夫への不公平感って結局そこだと思うんですけど
1日中、ほとんどの時間を職場で過ごすっていうのも
それはそれで辛いものがあるもんな…
もう少し協力的でもいいのにとは思うが
秀介もいちおう家事育児はしている
足りないけどな
そしてなにより、
多香実が思うほど浮ついてはないし
意外にも妻のことを考えてもいる
ということもわかった
ただね、そこじゃない
妻への思いやり、そこじゃないんよ秀介
私はほしい♥
今はそれじゃない
子供が小さくて、共働きでドタバタしてるときはソレじゃないんよ
日々、妻に話しかけて
解決はできなくても愚痴をきいたり
なにかできることはないか自分から聞いたり
そういうことなのよね
そして、妻の多香実は多香実で
違う、そうじゃない。
秀介の浮気を疑ってザワザワしたり
もしそうなら離婚もアリだと半ば投げやりだが
そんなことは考えなくても良かったんだよ
考えるべきはソコじゃない
もっと具体的に建設的に、
お互いの落とし所を見つけるので充分だったんだ
そんな感じで、物語を読んでいる人にとっては
「おまえら、そこじゃないだろ」なんてクリアにわかりますけど
夫婦なんてそんなもんかもね。
私たち夫婦だって、第三者からみたら「違う、そうじゃない」の
ツッコミところ満載だろう
でも、多香実と秀介のすれ違いはそこまで致命的ではないし
基本的には誠実だし
最終的にはうまくまとまりそうだなと思ったんですけど
最後のページを読んで
「あ、もしかしたらこの夫婦ダメかも…」
とちょっと思ってしまった笑
大きな事件がなくても
日常のどーーでもいいすれ違いやタイミングの悪さの積み重ねで
壊れてしまう夫婦もありますよね
夫婦が脆いというより、積み重ねがいかに恐ろしいかってことなんだけど。
ま、別れたほうが幸せになる夫婦もいますしね
ラストまで
いろいろ頷くところの多い一冊でした!
