
おもしろかった!
これぞほんとにイッキ読み!
子供を持って仕事することの苦労が描かれる
子供の体調不良、行事、朝のドタバタ…
毎度のことながら、どの小説でもこういう苦悩は
わかりすぎて動悸がするほどですよ
子供の体調不良時
純粋に子を心配するだけでなく、自分の仕事への影響が気になってしまう本心
それを、主人公は自己嫌悪するんだけど
私も、子供の体調不良で仕事を休むことが多かった頃は
「頼む!仕事に行かせてくれ!私にふつうに暮らさせてくれ!」
なんてうっかり思ってしまって自己嫌悪に苦しんだことがある
我ながらひどい親だなって思うけど
でも、ある意味
あたりまえじゃない?
なにも、子供をほったらかして散財して遊び呆けたいって言ってるんじゃない
仕事だよ
ふだん、当たり前のように自分の大部分を捧げてぜんぶ両立して生きてるから
感覚がバグるけど
母だって一人の人間
仕事をするなら責任もってきちんとやりたいし
まわりに迷惑がかかるような仕事はしたくないのはあたりまえ
じゃあ、子供より仕事をとるの?
子供が大事なら、仕事を辞めたら?
そうやって追い詰めるのもやめてくれー
子供が大事だよ!
子供の将来のために働いているし…
でも、仕事が大好き!やりがい充分!って人間じゃない私ですら思う
仕事することで、なにか自分の重要な部分を保っているのは確か…
…なーーんてことを
母親たちがああでもないこうでもないと思い悩み必死でがんばっているのをよそに
多香実の夫の秀介よ💢
コイツはほんとに読んでてイライラした💢
タイトルの「さしすせそ」は、
多香実の友人・千恵が、夫と円滑に暮らすための会話術として
「さしすせそ」の言葉を心がけてるって話
例:さ…「さすがー」とかね
なるほどねーーと思わんでもないが
いや、なんでそこまで接待しないといけない!?
って思っちゃったよ、あたしゃ
だって
繰り返すようだけど、
妻だって遊び呆けてるわけじゃない
夫婦の子供を育てて
家計を助けるために仕事して
家事をやっている
それを分担してもらうのに、
なんで夫に媚びなきゃいけない!?
指示されなくても、
ましてや
おだてられなくても
自分の役割キッチリやれや!!!
って思っちゃいましたね…
物語でも、「さしすせそ」でおだてれば良いとは一概に言えない結末になっています
ただ、この表題作
「さしすせその女たち」は、妻・多香実サイドのお話
続く、「あいうえおかの夫」の章は、夫・秀介サイドのお話
これを読むと、また印象が変わります
ふたつの章があって、はじめて成り立つんだなぁと思いました
満足感の一冊!
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