「家族シアター」
辻村深月
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最終話
「タマシイム・マシンの永遠」
赤ん坊の伸太と、妻の希美を連れて、お盆に帰省する。
普段は核家族で、なんとか赤ん坊の伸太を育てている夫婦。
ふたりは、お互い「ドラえもん」好きという偶然で出会った
夫の実家には、夫の両親、祖母
子供の頃の思い出、亡くなった祖父の思い出が鮮やか蘇る
タイムスリップしたかのように
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子供のころを思い出すと、いつも懐かしい
いつのまにこんな遠くまで来てしまったんだろうと途方に暮れる
だけど、記憶は連続的で
いつを境に大人になったのかはわからない
逆に言い換えれば
はじめて我が子を抱いた頃の自分にも
オシャレして毎日遊んでいた若い頃の自分にも
いつも決まり悪かった子供の頃の自分にも
いつでも瞬間的に会えるような感覚がある
まるでタイムマシンに乗って時間移動するみたいに
体が入れ物だとしたら
魂はタイムマシンみたいに、いつのどの時代の私も全部含んでいる
それは、私自身の記憶だけじゃなくて
もう会えない人の思い出
なくしてしまった宝物の思い出
もう二度と行かない場所の思い出
赤ん坊だった頃の我が子の思い出
どうでもいい人のどうでもいい思い出も
全部、私の魂につまっている
こんな私も、もしかして誰かのタイムマシンの片隅にいたりするのかな
どうせ面白いんだろ!と思って読んだ本でしたが
当然のようにおもしろく、
毎章グッときて、たびたび泣けました
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