「家族シアター」
辻村深月

コレの続きです下差し

第四話
「タイムカプセルの八年」


大学准教授の孝臣は子供や育児にいまひとつ興味が持てず
息子の幸臣のことも上の空である

そんな孝臣が、なぜか幸臣の小学校の「親父会」に入ることになった
毛色の違う保護者の「親父」たちと、慣れない係の仕事に
ゲンナリする孝臣


幸臣の担任は、やる気あふれる若い男性。
小学校卒業間近な幸臣たちと、タイムカプセルを埋めるのだという




孝臣は相当なクズ父である


クリスマスや運動会のクズ父エピソードが描かれるが


どれか一つでも我が家で起こったら

ガチ戦争起こるレベル炎炎




だけど、タイムカプセルの意外な顛末を巡って

孝臣の意外な側面が明らかになる



父親としてというより人間として

孝臣は孝臣なりに、息子のことを考えているのだとわかる




「父親」としてなら、

「頑張るのはそこじゃない…!」と言いたくもなるが



ひとりの人間としての息子を思うなら

そして、ひとりの人間としての自分の気持ちを納得させるためにも

孝臣の行動は正しかったと思う



そして、子供の幸臣もよく見ている。

大人が思う以上に理解している


ちょっとズレてる父親のことや、やる気漲る担任教師のことを。




子供だけでなく大人も

案外、誰かの「そこ?」ってところを見ていて


本人も気付かないような本質に、他人が気づいているというケースはよくあることなのかもしれない


意外と、真心はちゃんと伝わっているものだと信じたい