「仕事は2番」
こざわたまこ

コレの続きです下差し

最終話
「最後の日」



幸雄は、長年勤めた会社を退職予定だ

業務の引き継ぎのために入社したのは社長の息子、栄太

挨拶も、返事も、電話対応もできない
なにを考えているかもわからない若者

栄太は、父親である社長に萎縮しながら育った

栄太に対してどう接したものか悩む幸雄は、
いつしか栄太が自分の息子と重なるのであった




最終話は、なんとなく一話目の優紀が再度主人公になるのかなと思ったら


急に知らない人物が主人公になってて戸惑った


と思ったら、幸雄は

今までの章でもたびたび登場している人物でした!憎い演出!



どんな人にも歴史があって人生があって

みんな主人公なんだよな

 

この本、つくづく連作短編集好きのツボを突いてくれる



そして、幸雄だけでなく
栄太にも、社長にも、
それまでの歴史があって、それぞれの気持ちがある


全部はわかりあえないかもしれないけど、
思いやることはできる


すべては理解できなくても、信じてみたい

 
全部の章にいえるのですが、
ご都合主義ですべて解決するわけではなく


まだまだ問題はたくさん残されているような
苦くて切ない結末ばかりなのだが


どの章も
一筋の光が見える終わり方をしていて、とても良かったです


こざわたまこ作品は過去にもいくつか読みましたが
現時点で、この本が一番好きです!