「仕事は2番」
こざわたまこ

コレの続きです下差し

第二話
「スポットライト」


総務課の課長、内野は家でも会社でも冴えない

つまらないギャグや余計なことをを言っては、煙たがられる

かつての部下である岸は、すっかりデキる社員に成長していた

そして、かつて一緒に役者の夢を追いかけた竹中も、俳優として成功していた




一話目では、ねちっこいお説教をするダメ上司として登場する内野が

まさかの主役



当たり前のことだけど、

生まれたときから「粘着質なダメ上司」なんて人間はいなくて、



内野もまた、若い頃は俳優を志し

会社に入ってからも、根性と気合いで上り詰め

死ぬまで家庭を守るのだと強い気持ちをもっていた


そう思って読むと、内野のことも憎めないように思える




現実は、時の流れは、シビアだ


たとえ抗おうとしても

まるでそれが最善策だとでもいうように


いつしかラクな方へ諦める方へ流されていってしまう



だけど、流れ着いた先にも人生はある

ゴミばかりが漂着するような岸辺にも
自分にしかわからない宝物があるかもしれない


誰も見る人がいない舞台の上にも
スポットライトは自分だけを照らしているのだ