両親の入信する宗教団体の「村」で育った著者
やがて中学生になり、思春期を迎え
「村」を出る決断をするまでのコミックエッセイ

コレの続編です
「村」の子供として、親と離され
ひもじい思いをしたり、時には理不尽な思いをしながらも
周囲の子供と楽しく健やかに育った著者。
中等部に入ってからも、「一般」(いわゆる、村の外の普通の生活)とは
異質な生活を送ります
ただねぇ…難しいのが
悪いことばかりでもないのよね
子供も大人も、「労働」という農作業や住民の衣食住の仕事が割り振られ
もちろん、子供には負担が大きすぎないか…?と感じるのだけど
労働自体はそう悪くないですよね
外の生活の情報は必要以上に遮断され
子供たちは自由にアニメを観たりもできないんですが
そういう教育方針の家もなくはないし。
(良し悪しはともかくね)
著者が明るくかわいいイラストで振り返ることもあって
制約がありながらも、同じ歳ごろの子供たちと健やかに生活する姿は
そう悪いものにも思えなくて
ただ、欠点といえばやはり
「選択肢がないこと」かなと
あたりまえだけど、「村」のため、団体のために
大人になってもなにも疑わず貢献できる子供が良しとされてるわけで
良い大学に行きたいから勉強したい!
みたいなのが基本認められないのが問題ですよね…
高等部では、学校にもいかずに基本一日中「労働」みたいですし
イラストがとても読みやすく
興味深い生活が描かれているんです
私が本格的に「村」をヤバいなと感じたのは
「ミーティング」のところですね
要は、団体の上位の人と面談して
時には威圧感で、よくわからないまま考えをコントロールされるみたいな。
上の人が納得できるような考えを提示できなかったら、
軽く閉じ込められたり、
団体の支部をあちこちたらい回しにされることになったり
これ、洗脳ですよね?
やっぱ宗教コワイ
著者はとても柔軟性の高い人で、
どんなときもそれなりに順応して楽しくやれるんですが
(楽しくやれないほど悪い環境でもない様子)
さすがに、「村」というものに疑問を感じ
村を出る決意をします。
コレで、わりとあっさり村を出られるのも意外。
「脱会」って、なんかどの宗教もすごい大変そうじゃないですか?
だから私は最終的に、
この団体が本当に悪いのか良いのか、よくわからないままでした
かなり異質というか、
洗脳したり強引なところはありますが
そういう一方的な教育はふつうの親子関係でもありますからね。
(それが良いとは思いませんけど)
「外」へ出た著者は、
普通よりも人との距離が近い(共同生活で育った影響かな)けども、
働き者で、「外」の環境にも馴染み
夫と楽しく生活している様子。
著者が一貫してとても健やかなのが読んでてとてもよかったですね
「宗教」の生活がテーマですけど、ドロドロと不気味なことは一切なく、
読んでいてとてもおもしろかったです!