「あのひとは蜘蛛を潰せない」
彩瀬まる
28歳の梨枝は、母親とふたり暮らしで
仕事はドラッグストアの店長をしている
とにかく、母の言う
「みっともない女」にならないよう
日々注意深く生活している

途中でなんどか、本を遠くに投げて、
ワーと叫びながら逃げたくなった
主人公梨枝の毒母(あえてこの言い方)と
私の母親がソックリ
だったから。
なにかにつけて私を「みっともない」と言うこの言葉
体の造作なんかを、気軽にそして執拗にけなしつづけること
それなのに、
私は母といるべきだと信じて疑うことすら許さないこと
私が人並みの結婚をすることをおしつけるが、その結婚も
母がすべて口を出しオーダーメイドすることが当然だと思っていること
私が家の外に出て、他人と関わろうものなら
すぐさま騙されて乱暴されるものだと繰り返し繰り返し言い聞かせること
ぜ、全部同じじゃん…![]()
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私は両親と合わず、今はもう絶縁状態なんですが
「毒親」と形容することにはためらいがありました。
だって衣食住は守られていたし
(ときには過剰なほど)
教育も与えられた
(親の意向通りにだけど)
殺されることはなかった
(気分次第で殴られましたけど)
でもさあ、この小説読んでうちの親って
立派に毒親でよくない?って思ったよね
私は大学まで出してもらったし
うちの両親は毒親というより特殊なパターンの親だと思ってたけど
この小説で読んで
まあまあステレオタイプの毒親
なんだなって思った(笑)


