「炎上する君」
西加奈子
コレの続きです

「甘い果実」
主人公の「私」は書店に勤務している
だけど、本当は作家になりたい
そんな「私」の視界に入る
「山崎ナオコーラ」という作家
作品、ブログ、世間での評価
嫌でも目にしてしまうそれに、過剰に意識してしまう
「山崎ナオコーラ」はまさに、「私」のなりたい姿だった

寝言や、明け方の夢を小説にしたのでしょうか?
というくらい観念的な章です
「山崎ナオコーラ」という実在する作家は出てきますが
やりたい放題脚色されまくりです(笑)
電線に座って声をかけてきたりw
ただ、夢や妄想のようなお話のなかにひとつ、
嫌というくらい痛いほどの現実が描かれてる
それは、ワナビーの苦悩
なにか強烈になりたいものがあって
いろいろ真似してみたりはするけどどうも上辺だけで
でも、なにをどう変えたらいいかわからない。
「成れてない」私はとてつもなくダメで、価値がないと苦しむ
もしかしたら
そんな自分ごと、なりたくてなれない憎いなにかごと、この世界ごと
まるごと飲み込んで受け止めて飛び込んで感じる
それで初めて「なにか」に成れるのかもしれないと思った
誰かを真似している「ワナビー」じゃなく
自分が自分のまま変化した「なにか」に