「きのうの影踏み」
辻村深月

コレの続きです下差し

「手紙の主」



主人公は作家

同じ作家仲間との雑談で、とある共通した奇妙なファンレターの話になる

それは
・不明瞭で読みづらく、内容も要領を得ない
・ファンレターのはずだが、作家の作品は知らないと書いてある
・作家には全く関係のない歌手のファンだと書いてある

なんと、こんな変な手紙が、自分だけでなくあちこちに届いているらしく…



ファンレターってちょっと怖いなぁと思う


表現者が発表した作品はひとつなはずなのに

受け止める側の価値観は千差万別であり



なかには、想像もつかぬ受け止め方をした挙げ句

一方的にその思いをぶつけてくることもあるだろう



この物語の
「共通するおかしなファンレター」の差出人は同一人物ではないのだろうな
そう思うと余計怖いゲロー


「おかしな思考回路」って、そういう思考回路を持たない人には想像もつかないが、
おかしな思想回路同士は似通ったりする


たとえば、
集団にストーキングされてます!とか、トンデモ思考はずなのに
わりといろんな人が言ってるよね


そういう「同士」たちは共鳴力が高そうで


受け取り手の作家たちが
あまり気にせず意味不明なファンレターとして処分しているうちはまだいいが

ひとたび、そういう思考回路の存在に気づいてしまったら

おかしな思考回路自体が共鳴して膨張し続け
さらには似たような思考回路を持つ人に連鎖していくような恐怖感

ちょっと目に見えない伝染病みたいな

そういう考えもあるのね…と触れないのが一番滝汗