「卒業するわたしたち」
加藤千恵
コレの続きです

最終話
「ニューヨークは遠い」
もうすぐ高校卒業
あたしと創元(そうげん)は仲良しの友達。
創元は、本当はニューヨークに行きたいんだって
で、同じクラスの須田さゆみに告白したんだって
そんな話をだらだらしながら、あたしは卒業したくないと思う
こうやって何気なく、創元と会える日々も終わってしまうから

嫌だと思ってたこともたくさんあるけど
学生時代の、毎日自動的に同じメンバーで集まる環境って
ちょっと貴重だったよね
今だと職場の同僚がそれに相当するのかもしれないが
職場ともなると、基本的にはプライベートとは別物として付き合うしね
学生時代は、パブリックとプライベートの境目が限りなく近いから
そういう環境も、難しいけど貴重でもあった
でもまあ、
お互いの距離感を尊重した付き合いが継続できてる同僚というのもありがたいし
縁あって偶然集まったとも言える家族と
あたりまえに過ごせるというのもありがたいし
今は今ある幸せを大事にしたいと思う
毎日毎日
友達にも、仲良くない人にもあたりまえに会えてたあの頃が懐かしく思い出されました