「卒業するわたしたち」
加藤千恵

コレの続きです下差し

「全て」


亜紀は二年ぶりに恭ちゃんに会うことになった

2年前、亜紀は恭ちゃんとひどい別れ方をして
心身ともにボロボロになり、大学の卒業式にも出られなくなった

あれから二年…
久しぶりの恭ちゃんとの再会を思うと、
亜紀はなにも手に付かない




第三者から見たら

 恭ちゃんなんてなにが魅力かよくわからないロクデナシなんだけど



良い恋だったかどうか

相手が善人だったかどうか


そういうこととはあまり関係なく
捕われて抜け出せないタイプの恋ってあるよね


本人にも理由はわからないし
コントロールできないものなのだろう


そしてこれまたコントロールできないのが
それすらも結局いつかは忘れる
ってこと


やっぱ時間薬が最強


知らず知らずに
どこかで「卒業」のタイミングを迎えているんだと思う

 
引っ越しの荷造りのタイミングでなんか吹っ切れたとか
新しい趣味を始めたら前向きになれたとか


亜紀の場合は、荒療治もしれないけど
二年ぶりの再会が「卒業」のきっかけになったのかもしれない