「卒業するわたしたち」
加藤千恵
コレの続きです

「にじむオレンジ」
あたしは愕然としていた。
激推しのアイドルグループ、アンパルフェットのマナッシュが卒業してしまう
つまらない、くだらない、罰ゲームみたいな高校生活で
アンパルの推し活をしてるときだけが生きてる実感があった
親友のふーちゃんとも、アンパルを通じて知り合った
そんなアンパルが変わってしまうなんて
あたしたちはどうなってしまうんだろう

もし、主人公の「あたし」が社会人なら。おばさんなら。
ここまで推し事に夢中にならなかったかもしれない
その時だからこそわかる
その時だけの輝き
だからといって、それがまやかしだったとは到底思わない
それは確かに希望で、救いだったのだ
「学校」以外にも青春はある。仲間はいる。楽しみはある。
これを、学生時代に実感することはなかなか難しい。
「青春」って、カッコ悪くて、うまくいかないもんだってこともね
それに気づくだけで、
私の学生時代はだいぶラクになっただろうなぁと今なら思うけど
●十年も過ぎてしまった今となってはどうしようもないw
マナッシュは卒業しちゃうけど、
「あたし」とふーちゃんは幸せだったんじゃないかと思う
それに気づくことができたから