「卒業するわたしたち」
加藤千恵
コレの続きです

「未知との思い出」
澄香は運転免許の試験のため、ひとりで免許センターにいた。
本当は、教習所にはふたりで通いはじめた。
彼氏だった悠斗。
ふたりで免許をとったら、一緒に旅行に行くはずだった
その予定もなくなって、澄香はひとりでこの日を迎えたのだった

関係ないけど、自分が教習所に通っていたころを思い出しました
運転免許を取ったのは20代半ばで、まわりよりは少し遅かったかもしれません
教習所に通い始める少し前、当時の恋人と別れました
デートは彼の車で、いろんなところに行き
たまに休みには遠出もしました
まあ、いろいろ合わないことがあって別れたんだけど
不思議と別れてしまうと
彼の車で行った海や山や川や、そういう景色ばかり思い出すのでした
そんな自分に嫌気がさし、
行きたい場所には自分で行けばいいじゃん
と、思ったことも教習所に通うきっかけのひとつだったと思う
いざ通いはじめると、私は運転にそこまで向いてるとも思えず
教習の待ち時間には、ついついまた感傷に浸ったりして
そこまでして免許とる意味ある?とか思いはじめそうになると
偶然にも、配車係の方が
「次の時間、キャンセル出たから乗りませんか?」なんて声をかけてくれたりして
なんだかんだ、4ヶ月もかけて自動車学校を卒業しました
免許センターで本試験を受けるころにはかなり
彼と行った海や山や川の思い出は遠くなり
免許を手にした自分は、新しい場所に行ける予感でいっぱいになっていた
あれから約15年
自分の運転では近所ばかりしか行かないけれども
自分の運転で、たくさんの新しい景色を見てきたように思う