「あいまい生活」
深沢潮
コレの続きです

最終話
「雛」
スイーツエステートの社員、佐伯雛
管理役としてティラミスハウスに住むことになった
住人のひとり、さくらが生活保護受給者だとバレてしまったことで
住人内では目に見えないイジメのような雰囲気が蔓延る
実は雛自身も、母親のネグレクトにより生活保護受給者だった過去があった
そんな中、ティラミスハウスは違法なシェアハウスだということが発覚し…

なんかもう
親の虐待、貧困、精神疾患や発達障害が見過ごされること、
DV、婚姻制度、母子家庭、ブラック企業、外国人労働者の問題など
現代社会ならではの歪みや格差の問題が
まるっと詰め合わせ状態で
正直読んでて疲れてきました
とはいえ、空想の妖怪の話ではなくリアルに隣に潜む問題。
樹、風香、さくら、ウェイ、好美、雛の6人
過酷な現実を背負い、ギリギリのところを歩いている
そんな中、自分を気にかけてくれる実家がある樹と、
他人ではあるが親身になってくれる人がいる雛に関しては若干救いがある。
逆をいえば、他の4人に関しては絶望しかない。
人は生育過程において
まず衣食住は当たり前のこととして
①途切れない教育
(あくまで個々にあったレベルで)
②何気ない会話や、困ったときに相談ができる存在
この2点がとても大切だと思った
当然に与えられるものだと思うかもしれないが
その当たり前が与えられなかったからこその不幸が描かれている
私は親として子供になにがしてやれるか悩むことも多いですが
基本に立ち返った気がしました