「あいまい生活」
深沢潮
コレの続きです

「ウェイ」
王唯(ワン・ウェイ)は中国から外国人技能実習制度で来日した
同じく外国人技能実習生として来日していたズーリン、シャオイーとともに
三人で違法にティラミスハウスの一室に暮らしている
三人はそれぞれ、就労先で
人間として女性としての尊厳を踏みにじられ
命からがらそこを逃げ出してきていた。

外国人技能実習制度の問題は、ニュースでも耳にしたことがある
就労先から失踪した実習生も多くいるとか。
しかし今まで、具体的に問題を調べてみたことはなかったんですが
コレ普通に犯罪ですよね!?
こんなのがまかり通っていいのか。
きちんと法を整備していないのか?
結果的に、不法就労者が増えたりもして
日本にとってもこの制度、良いことないような
この章は、これまで「違法に住み着く迷惑な中国人三人」という印象だった
ウェイの事情を知ることとなり
ただ単純に迷惑だなどと言い捨てることはできない気持ちになる。
結果的に、ただの迷惑な違法就労の外国人。
だけど、一貫してウェイに落ち度はひとつもないようにおもえた
ただ、生まれた環境や置かれた環境に圧倒的にめぐまれなかった
それだけで世界に、こんなにも居場所がない。
そんな理不尽のなか、
決して安住の地とは呼べないティラミスハウスで、
かりそめの隣人と囲む夕食がウェイを癒すシーンがとても切ない