「対岸の家事」
朱野帰子
コレの続きです

「大きな風」
詩穂は、中学生のころ亡くなった母のことを思い出していた。
母が亡くなってから、詩穂の生活は一変した。
もしかして、これは母の復讐なのかな。
母がいなくなるまで、詩穂自身も
「主婦はお気楽なもの」と考えていたのだ。
詩穂を攻撃する見えない相手、
中谷の夫妻仲の危機、
礼子のキャリアの危機、
そして、詩穂の「専業主婦」としての存在意義
数々の問題の着地点は見えるのか。

最終話です。
詩穂がいろいろな人の力を借りて、
詩穂を攻撃する犯人にたどりつきます。
それと同時進行で、詩穂も
迷える「主婦(夫)」たちの力になります。
今までの積み重ねあってこその助け合い、
問題解決だと納得のいく流れです。
ただですね、「犯人」にたどり着いたあと、
え?紙面が足りなかった!?まさか落丁!?
ってくらい、急にショートカットしたように思える場面がありまして
ちょっと面くらいました。
まあ、その場面があったとしても
「犯人」が泣きながら許しを請うみたいな、ありきたりなシーンしか想像できないので、
なくてもよかったのかな…
中谷たちのこれからの夫婦関係や
礼子の仕事のことも
どうなったのかちょっとモヤモヤ
なにより、詩穂が
「この町の便利な家政婦」としてこまごまと働いて
それでお金をもらって、結果的にワーキングマザーになる
みたいな未来になりそうで、それはちょっとモヤるなぁ
結局仕事して外でお金稼がなきゃダメなんかい?と。
詩穂がそれでよければいいんだけど
詩穂には専業主婦としての誇りやアイデンティティを大事にしてほしいと思った。