「対岸の家事」
朱野帰子

コレの続きです下差し

「家のことは私に任せて」


詩穂に、匿名の嫌がらせの手紙が届いていた。
詩穂のみならず、専業主婦すべてを憎悪する内容。

それを知ったママ友・礼子と、パパ友・中谷は許せないといきり立つ。

詩穂は夫に手紙を見られて、パパ友付き合いを禁止されてしまった
残るママ友・礼子も、仕事を辞めて引っ越すことになった

心のよりどころだった坂上さんも、体調を崩して
今まで通りの付き合いはできなくなった。


追い詰められる詩穂
どうしてこんなに孤独なのだろうか。
専業主婦の自分なんて、本当にいなくなった方がいいということなのか



今までどんな相手にも優しくふんわりしていた詩穂がギリギリになっている


詩穂だけではない


今だ過去のトラウマに苛まれ育児に行き詰まる中谷も、

あんなになりふり構わず打ち込んできた仕事を辞める決意をした礼子も、


ほとんど面識もない詩穂を執拗に攻撃する手紙の差出人も


きっともうギリギリのところにいる。



ありのままに自分の気持ちのまま生きることが、ときどきとても難しい

それは、周囲からの影響もあるし
自分自身が作った壁のせいでもある。


詩穂でいうなら、夫との間にあがった「二人目問題」

夫の希望をくんで、二人目の子供を望む気持ちもある。
だけどそうすれば、経済的にも専業主婦というわけにはいかないだろう。

さらに、見えない誰かからも
専業主婦というだけで攻撃される


私は、たとえ愛する夫のためであっても
これで詩穂が専業主婦を辞めるとしたら本末転倒だと思った

詩穂は専業主婦の仕事を愛している

それは、世間の常識や誰かの思惑でねじ曲げられていいものではないと思った