「対岸の家事」
朱野帰子


コレの続きです下差し


「囚われのお姫様」


詩穂と苺のかかりつけ医院には、晶子という若奥様がいる。
26歳。子供はおらず、週3日受付に立つ。

受付業務だけでなく、子供やお年寄りの相手まで、いつも華麗だ。

それだけに、無遠慮なご近所さんから
暮らしぶりやら身なり、妊娠計画のことまでなにかと口を出されている

それを知った詩穂は、晶子のことが心配になるが…




「自分が持ってないものの話には、人は敏感になる」

という台詞が出てくる。



育った環境や、裕福さ、見た目の美しさ

パートナーや子供の有無もそうだ。



その反面、自分が持っているものには鈍感になって

感謝を忘れたり


無神経に「持っていること」の価値観をだれかに押し付けたりするのだと思う。



近所の連中が、晶子に

たびたび不躾に子作りをせっつくのもそれだ

滝汗超うっとーしー


 自分とは違う価値観が存在することを想像もできない


そしてまた、自分たちが持っていない

美しさや若さ、華やかさ、聡明さを持つ晶子に対し過敏にもなっている


なにか言わずにはいられないという心持ちだろう



物語の最後、晶子にとある母親が声をかける。

晶子の医院の患者で、仕事をもつ母親である


「ここにきてるお母さんたちは、みんなあなたの味方ですよ!」

晶子の有能さをちゃんと見ている人はいるという胸アツな言葉をかける



しかしそれと同時に

「あなたは外で働くべき」的なことをやっぱり言っていて


もちろん親切心もあるとは思うけど

これはこれで

「外でお金を稼いでこそ」というひとつの価値観への固執だよなと思い

若干複雑だった




 

 

 



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