「母親病」
森美樹


 

 

母親としての女

娘としての女

妻としての女


そして、誰にも言えずに隠している、欲望を拗らせる女の自分



一話目

「やわらかい棘」



珠美子の母親、園枝が変死した



園枝は貞淑な妻であり完璧な母親だった

完璧じゃないものは許さないというほどの



珠美子の前に、園枝の恋人だったという若い男が現れた

死の直前の母の日記には

若い男への恋慕と欲情が生々しく記されていた




以前レビューした「主婦病」のまた別シリーズのようだ


この作品では、各章は主人公をかえながら

すべてつながっている。



一話目の主人公は、母を亡くした娘の珠美子



珠美子の少女時代、その容姿が母に似ず美しくないことを

繰り返し母の園枝が揶揄する



そして見た目だけでなく、

「女とは男に選ばれてこそ価値があるもの」という園枝の価値観を

娘の珠美子に繰り返し押し付ける



このあたりの執拗さ、固執した考え方


こちらがなにを伝えようともひとつも受け止めるそぶりすらなく

一方的にこちらを変えようとしてくる感じ



私が自分の母親に感じたものと似ていてゾーッとする


母に反発する一方で、母の言葉が体の奥底に染み込んでいってしまうのも似ている




しかしそんな園枝が、

貞淑で自慢の母どころか

夫ではない若い男への欲望に身もだえしながら死んでいったなんて

泣いていいのか笑っていいのかよくわからない



とりあえず、両親の死後に生々しい

シモ関係の記録は見たくないものだ

チーンチーンチーンチーン




何はともあれ、みなさま

今年もよろしくーーぅチューピンクハートピンクハート



 


 

 


GREEN SPOON ゴロゴロ野菜スープ