「主婦病」
森美樹
コレの続きです

最終話
「月影の背中」
由紀乃は、タクシー運転手をしている。
あちこちをふらふらと巡っては
あの世とこの世の境目をふらふらしている人を乗せる
かつては由紀乃も、なに不自由ない主婦だった
だけど、金髪の男、草汰と恋に落ちた
由紀乃は今も街をさまよっている
そして、今も草汰のことを見守っている

今までの章で、突如として毎回現れる
「金髪の男」のことを
私は、その章の主人公の願望を具現化した
「概念」のような存在だと感じてきた
だけども、この最終章の「金髪の男」にだけはなぜか
生身の男のエピソードであるように感じた
それは、これまでの悩める主婦たちの前に不意に通りかかり
不意に一石を投じるという役割ではなく
最終話では、由紀乃が今存在する理由の真ん中に
草汰という金髪の男との恋愛があるからかもしれない
しかしまあ、最後まで読んで思うのが、全体を通して
夫への嫌悪感強すぎ!!
夫への嫌悪感がそこまでになってしまうことが病であるのか
それでも結婚してしまうこと自体が病なのか
個人的には、精液の描写が妙に執拗でくりかえし出てきて
なんだかそこにも偏執的なモノを感じゾーッとした