「くらやみガールズトーク」
朱野帰子

コレの続きです下差し

「変わるために死にゆくあなたへ」


陽菜は成長するにつれ、少しずつ気づいていた
自分は美しい少女ではない事に

中学に上がると、その予感は確信となった

容姿に恵まれた少女たちと自分との明らかな違いを知る




陽菜の母親は、少女だった陽菜に

「恋愛や結婚なんかしなくても幸せになれる」と言うのですが


これは不美人になるであろう娘への慰めであり

なにより

母親自身が諦めるための言葉なのだろうと思った



勝手な想像ですが、どうせこの母親

大人になった陽菜がほんとうに行き遅れたら

婚活とか出産とかすごい圧かけてきそう



娘が少女の頃は

女らしくしろ、だけどいやらしく色気づくなと強要しておきながら


あるときから急に、当たり前のように結婚や妊娠することを求める



「恋愛や結婚しなくても幸せになれる」なんて絶対本心じゃないだろ

幸せに絶対不可欠な要素くらいに思ってるくせに




だけど、そんなこととは関係なく陽菜は恋をする

結婚のためでも出産のためでもなく恋をするのは本能だ


本能は不美人にも備わっている


陽菜が後半、

笑われても蔑まれても恋を貫く覚醒のシーンはなんだか鳥肌がたった



勇ましい陽菜からは、なんだか怒りすら感じた



この不公平があからさまにまかり通る状況に

だけど恋は誰のものでもない


誰が笑おうと、怒ろうと

この恋が成就するかなんてことすら関係ない

自分は自分の恋を貫くためになんでもしてやると



 

 


 


GREEN SPOON ゴロゴロ野菜スープ