「私はいったい、何と闘っているのか」
つぶやきシロー

コレの続きです下差し


最終話
「司令塔」


職場でも家庭でも、じわじわと窮地に陥る春男

それもすべて、今までの優柔不断と優しさから
決定打を決めることから逃げつづけてきた結果であった



やはり、前回までの不安要素がかたちになって現れる最終話


しかし、読んでいる側からしたら春男に悪気がなく

むしろ、みんなの気持ちを考えすぎるくらい考えすぎた結果だとわかるだけに

辛い展開である。



結局、正攻法だけが正しいのか?

ここに至るまでの優しさや苦悩はすべて無駄なのか?


いくら心の中でいろいろ思っても

形になって、結果に表れて初めて、人に伝わる。

伝わらなかったら、他人にとってはなにも考えてないのと同じ。



このように、人間関係や現実世界のシビアさが

リアルに描かれていて、背筋が冷える



たとえば

ひょんなことから知ってしまった電話友達「沼田さん」の正体


春男の妻と春男の両親との関係。滝汗五家宝のくだりは笑っていいのか泣いていいのか困る


やる気があり、春男も目をかけていた後輩「金子くん」のその後



もう、キャーッ!と思わず声出た

これは怖い



でも、ネタでもなんでもなく、こういうことって現実世界に起こるんだよね

そう思えるからなおさら怖い



物語として読んでいるこちらからしたら

春男が主人公で、春男の内面のつぶやきも全部知っている


だけど、実際は

他の人もみんな自分の物語の主人公なのだ


そう思うと、

みんなが主人公であって主人公じゃない



何を言いたいかというと、

結局誰かひとりを中心に世界は回ってないということなんだなぁ

(あたりまえ)



じゃあ、こんなにいろいろ考えて立ち回ったのに

結局空回りばかりの春男は不幸なのか?



私はそう思わなかった


春男は春男で、春男自身の物語の主人公であり、司令塔なのだ

そして、春男の意図するタイミングではないにしろ

春男の真心を理解している者はたしかにいると感じた




 

 



 

 

映画化されてる!観たい!!