「私はいったい、何と闘っているのか」
つぶやきシロー
コレの続きです

「二人との出会い」
ある日の春男
電車で、いつものように人間観察をする
ベビーカーを押す若い母親に出会う

電車のシーンからはじまって
おなじみの春男の妄想&暴走が
今までの章に比べ輪をかけてダイナミックなので
はじめ、
あ、この章はネタ章なんだな
と思った
とうとうネタに振り切ったのかと
そしたらさ
後半、たたみかけるように衝撃の事実の連発!!
これはもう同じ短編の一編とは思えないほど
こうなったら、もうすべてネタなのではないか
そろそろ、ネタか妄想として回収するんでしょ?
と、なかば祈るような気持ちになるものの
この部分に関してはネタにあらず。
まさに、この章のおわりに春男が感じる
「人は悲しい」である
筆者は、これを際立たせるために
前半でおふざけをいれたとしか思えなくなる
事実は小説より奇なり
もっといえば
物語のように都合よく物事が進むことなんてない
この人はこういうキャラクター!と、設定された性格を
ひとつもはみ出さない人間なんかいない
だれだって矛盾を抱えている
理由なんかなくたって
自分でもよくわからなくたって
それを受け入れて生きていくのもまた人間の矛盾
人は悲しい。
っていうか、ちょっと怖い
だけどもなんだかたくましくて愛おしくもある