「友がみな我よりえらく見える日は」
上原隆

コレの続きです下差し

「父子家庭」


区役所勤めの山口は、離婚して10歳の娘と二人暮らし
山口は、慣れないながらも家事、娘の世話をしながら
娘とのささやかな毎日を送る



もちろんこの章も

偉い父親だとか、健気な娘だとか

そういう意図的な切り取りはない


そこにある生活を、そのまま切り出したルポである




だからこれは私の感想なんだけど、ちょっと言わせてもらうムキー


山口が妻と離婚のとき、

山口は娘を妻に引き取らせたかったのに

妻は「娘に選ばせたら」と言い、

その言葉に、山口は妻を「ひでえ人だなと思った」というエピソード



いやいや、あんたもひどいですよ?


あんたが先に、娘を妻に引き取らせたかった

って言ってるじゃん



あなたの娘でもありますよね?


母性本能の薄い元妻に落胆してますが、

あなたの父性本能はどうしたんですか?



離婚の原因も、一方的な妻の拒絶みたいに言ってるけど

どーせ夫にも原因はあるだろうよとしか思えん



だから、もしこの章が

冷たい妻に見捨てられた健気な父子家庭

みたいな描かれ方だったらものすごく抵抗があったと思います


が、

始めに書いたとおり、そこは意図的な印象操作はありません



そういう父子家庭、そういう生活があったということだけ。



はじめはどういう心情で、どういう経緯にしろ

山口が男手ひとつで娘を育てているのは確かなこと


それは容易なことではないのも確か



第三者が傍からどうこう言う権利もないですよね