「友がみな我よりえらく見える日は」
上原隆

コレの続きです下差し

「テレクラ」


弓子(34歳)は、夫の健(27歳)が、テレクラ通いをしているのを知っていた
弓子は素性をいつわり、テレクラで夫と通話する
相手が妻だとは知らない夫は、弾んだ様子で弓子と会話する

上原が手にしたのは、その会話を録音したテープである



妻が、テレクラ客に混ざって夫と会話する


この破滅しかない方法を思いついたとき、妻はどういうつもりだったんだろう


浮気の証拠を突き止めたいのか

許せる範囲の遊びだと安心したかったのか


おそらくそこは決断しかねて、ただ感情のままに行動したのだろう



愚かだと言われるのかもしれないが

もし、同じ状況になったとき

どれほどの人が冷静にわりきって行動できるのだろう



冷静になれていたら

こんなややこしいことをするまでもなくこんなクズ男は捨てている



よく、サレ妻の綿密な復讐劇!とかありますよね

あれはどこまで本当なのかよくわかりませんが

そんなに割りきれるものなのでしょうか?



男は男で狂っているが、

男からしたら女も狂っている


なぜそこまでする?なぜそこまで踏み込む?

そこまで踏み込まなきゃ波風立たなかったのに

と、自分本位だが夫はそう思っていることだろう



男も女ももはや狂っている

お互い少しずつその自覚があるから、

キッパリわりきって相手を切り捨てるなんて簡単にできないのではないか




最後の最後に、上原が妻に聞いた

「現在、妻から夫への気持ち」


そこを読んで、やっぱり狂ってるな、

自分ではどうしようもないんだなと思った


いつまでもこんなふうにはしてられないもんな