「友がみな我よりえらく見える日は」
上原隆

コレの続きです下差し


「容貌」


今回、上原が話を聞いたのは
木村信子(46歳)

うまれてから一度も、男性に縁がない
自分の外見が醜いから。

18歳のとき、母親から美容整形を奨められたことも

同僚から何の気なしに言われた容姿への揶揄がずっと忘れられない

それでも、片思いの記憶はある
45歳のとき、記念にと自分のために残したヌード写真もある



この、木村信子さんを不幸だと決め付けるのは浅はかだと思う



そういう人生があるということ


ただありのままを切り取ったルポである。


毎日日記を書いたり

仕事して、ファミレスで食事して、夜は銭湯にいく

そういうささやかな毎日の穏やかな繰り返し



ただ、個人的にいうと

母親が18歳の彼女に美容整形を奨める

この出来事はかなり彼女の人生を決定づけてしまったと思う


個人的には、とても良くないことだと思った



自分の容姿がとてもおかしいのではないかと急に自信がなくなる時期が

多くの人にあるのではないかと思う



それでも生きていれば


アイドルや、少女マンガみたいではないけれど

自分の顔もそう悪くないよね

と、思い直すこともできる



だけど、母親から言われてしまったら。

生んだ人から言われてしまったら。

それこそ頬に烙印でも押されたように、


自分の容姿はダメだ。

と心に刻まれる



失恋することも、見た目をからかわれることも

生きてりゃ普通に経験することもあるけど



頬に烙印があると

そんなささいなアクシデントさえ、乗り越えるのは至難の業となる



私の頬にも、かつて烙印がありました。


自分の顔もそう悪くないよね。

そう思えるようになるまで、気が遠くなるほどの時間がかかりました



だけども、そのころの自分が不幸だったかどうかは

今でもよくわかりません。