「さよなら、田中さん」
鈴子るりか
コレの続きです

最終話
「さよなら、田中さん」
気が弱くて、クラスではからかわれたりしてる信也
優秀なお兄ちゃんとお姉ちゃんがいて、
母からの中学受験のプレッシャーと戦う日々
クラスメイトと田中花実さんは、
なんだか周りの子とは少し違う。
だれかの意見じゃなくて、自分の考えで生きている
息苦しい毎日の中、信也は田中さんを見てると少しだけ明るい気持ちになる

最終話だけは、花以外の人物(信也)の視点によるもの
今までの章では、花は個性的なお母さんに
振り回されつつも普通の女の子に描かれていたけど
信也の視点から描かれた花は、自分の価値観を持って
周りに流されない超然とした女の子として描かれる
しかし
信也のお母さんはどうしてあんなにドクズなのかなぁ
花のお母さんと対照的なキャラとして出現させただけ?
きっとそれだけじゃないと推察する。
信也の母はたしかにクソだけど、
きっと初めの入り口は子供のためを想っていたのかもしれないと思う
それがどこかで大きく狂ったんだ
育児をしてると、
時々どうしようもなく正解がわからなくなって
そもそも正解を求める事が正解かもわからなくなって
不正解を積みすぎて、このままモンスターになってしまうんじゃないかと
ちらっと思うことってなくはない。
信也の母は狂った頭の片隅で
このまま信也を自分の側に置いてはいけないと冷静な判断をしたんだろう
信也を傷つける数々の行動を取りながら
本当はこんなふうにしたいんじゃない
って自分を止めたい瞬間もきっとあったんじゃないかと思う
だけど自制はできなかった
それには未熟すぎたし、すでに
狂った母親になってしまったから
信也の母親の真意は描かれない
でもきっと、母親の決断と信也の勇気は正しく
信也の未来はきっと明るいと信じたい
信也の気持ちに風通しを良くしてくれた花の存在や
ギリギリのところにいた信也の気持ちに気づいた花のお母さんの言葉は
きっと、今後も信也の支えになることだろう
みんなが幸せになるといいな