「さよなら、田中さん」
鈴木るりか

コレの続きです下差し

「銀杏拾い」


秋になると毎年、花とお母さんは銀杏拾いに出かける

ふたりの銀杏拾いは本気だ。
なんたって銀杏はスタミナ食なんだから

とにかくたくさん拾って、たくさん食べる。


あれは花が一年生の時の銀杏拾いでのこと。

神社の銀杏の木の下で、クラスメイトの真理恵ちゃんに会った
真理恵ちゃんは七五三で、綺麗な着物を着ていた


次の日曜日、お母さんも花の「七五三」を計画した




「豊かさ」というものについて考えさせられた



真理恵ちゃんの王道の七五三も、もちろん良い。


でも、花のお母さんの「七五三」も、手作り感あって

花とお母さんらしくて

とっても豊かだと思った



そもそも七五三とは、

子供の健やかな発育を感謝し祈る節目なのだ


それ自体がもう祝福で、

子供の成長を祝福できることはとても豊かなことなのだ



「こうでなければ」にこだわらなければ

本質さえブレなければ

「豊かさ」は意外と身近に感じられるものかもしれない



今日も豊かだニャ