「この人と結婚するかも」
中島たい子
より
「ケイタリング・ドライブ」
「料理研究家」の野島サトル
友人に頼まれて、大量の食材を清里まで運んでケイタリングすることに。
のっけから警察に捕まったり、大遅刻して破れかぶれ。
サトルは、頭の中で延々ぼやきつつ
うまくいかなかった恋や
過去のこと
料理のことなんかをグルグル考えながら清里へ向かう

ある若い男性の、ひとり脳内ロードムービー
という感じ
基本、ぼやきと嫉妬と
失恋のふっ切れなさと
あの子俺に気があったよね?
のループ(笑)
その中にちょいちょい料理への想いも混ざって
なんだかんだ、サトルにとって料理は大切なものなんだと思える。
しかしこのとっ散らかり具合
本当に他人の頭の中を覗いてるみたいにリアル
途中、幼い頃のサトルの両親の夫婦喧嘩のエピソードが唐突に挟まれるが
父、母、サトルの気持ちがどれも理解できて切なかった。
頭の中でいろいろ考えても、自分以外の人の気持ちをすぐに理解するのは難しいことだし
また、誰かに気持ちを正確に伝えることも難しい。
誰も悪くなくても、不運が重なることもある
(しかしこの夫婦喧嘩は、父親がちょっと悪いと個人的には思う)
だけどやっぱり
自分なりに誰かを思いやって
自分なりに良い方法を考えてやっていくしかないんだなぁという気持ちになった
前回の感想