おまじない
西加奈子

「あねご」
若い頃からお酒ばかり飲んできた主人公。
酔っ払えば無敵になれた。
汚れ役をやって笑わせて、なんでもできた
「あねご」と呼ばれて、キャバ嬢になってブスキャラで笑いを取った
本当は酔っ払って大騒ぎすることで、心の中のかき消したい「言葉」があった
痛い痛い痛いよ…!
イタい、ではないよ。
主人公を抱きしめてあげたくなった

主人公が人知れず心の中で葛藤している「言葉」のしんどさはもちろんなんだけど…
まあそれは置いといて
「あねご」キャラって罪だなと思う
✳本当に芯のある「姐御肌の女性」とは少し違う意味です
「あねご」だなんて、持ち上げているようで
なにを言われても強く笑い飛ばして傷つくな
自分のなにもかもをさらけ出して笑いにしろ
他人にズカズカ踏み込め、そして強めに突っ込んで笑いにしろ
潰れるまで酒を飲め、そして飲ませろ
そういうキャラの押し付けでもありませんか?
若い頃はそういう無敵キャラに憧れもあるから、本人自ら「あねご」キャラを買ってでる人もいたけど
実際、
のようなキャラは迷惑な人だし、本人もやっててしんどいと思う

どんな人だって本当は悩みもあるし
自信がないこともあるし
弱みもある。
主人公だってこんな破茶滅茶キャラなのに、心の中では
「自分はここにいてもいいのか」なんてことで思い悩んでいるんだよ…!
「あねご」なんていわれたら、なにがあっても弱みなんて見せられない
むしろ、笑い変えて馬鹿騒ぎするしかないじゃない