恋はさじ加減
平安寿子
見た目が悪くても、体に悪そうでも、食べたらやみつきになるかも?
珍しいものや、特上のものは、一度食べておいてもいいかも?
もしかしてそれって、恋愛に似てるかも?
食欲と恋愛と、打算と貪欲さ、なんだかお腹がすいてくる短編集
一話め
「野蛮人の食卓」
むなしいだけの恋愛に敗れた沙織は
寂しさにかられて、それほどタイプではない俊哉に誘われディナーへ
おいしい焼き蛤を目当てに行ったのに、案内されたのは
前菜はヤモリや蟻やサソリなどという超個性的な料理屋
この男も、この料理も、なんなの!?
落胆し憤慨する沙織であったが、ディナーが進むにつれ…?
失恋の寂しさを紛らわし、なんなら元カレに見せつけたいという
沙織の打算を見抜いたかのような俊哉の店のチョイス
これは、ノーテンキそうな俊哉は実は何枚も上手なんでは!?と思わされた
しかし、一方
ただの「失恋に翻弄される未熟な女の子」かと思った沙織もまた
物語の終盤、
グッと貪欲にしたたかになるのはむしろ爽快ともいえた
打算が1%も絡んでない純愛なんて、存在しないですよね~
逆に、打算があったって純愛もできるってことかな
ヤモリの卵とじ丼、気になる!
食べてみたい!
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