そこへ行くな
井上荒野


上差しコレの続きです


野球場


草野球チーム同士が貸しグラウンドで同じ時間にダブルブッキング


グラウンド事務員の管理ミスだと憤る面々


そのうち、そのグラウンド事務員の女性と関係を持った…という男が現れる


しかも一人ではなく何人もいる


あの女。とてもじゃないが魅力的とはいえない女

その女との間に起こった情事を、それぞれの男が回想する


どうしてあの女と。でも必然としかいえない流れだった。
あの女は、他でもない自分を狙って来た。とそれぞれが思う



あの女はなんだったんだろう。
ダブルブッキングの責任者でもあるあの女は、姿を消している。






男たちだけ見れば、まあ馬鹿だなあというだけなんだけど

その女の心の深淵を思うとぞわぞわするガーン

女はなにをしたかったのか

ただの色情狂というだけではないことはあきらかだ

なぜだかちょっと、復讐?という言葉も頭に浮かぶガーン


きっと、草野球チームのダブルブッキングもわざとのような気すらしてくる


対して男たちは

女との降って湧いたような情事のチャンスを

不気味がりながらも

わりと「悪くない経験」として受け止めているようなところが印象的だ

まあ単純にヤレる機会があざっす!ってのもあるだろうし

女の誘い方、おおぜいの男から自分を選んだかのような誘い方に思わずふらふらと

女が、どうしても目を背けたくなる現実からの避難場所のように思えたのかもしれない


でもいろんな男とヤッてたっていう。笑い泣き笑い泣き笑い泣き


気軽に足を踏み入れた水たまりが、ものすごく深くて大きな渦のある海だったみたいな怖さ



では、この話の「そこへ行くな」はどこのことか


やっぱ、いくらヤレそうでも

ヤバめの女には「行くな」かなぁ


俺達、実は兄弟になってたっていうね