そこへ行くな
井上荒野


上差しコレの続きです



団地



まだまだ新婚といえる夫婦

老人が多い団地に引っ越してきて三ヶ月

妻はハンドメイド作品を販売したり
夫とピクニックをしたりDVD鑑賞をしたり優雅な生活


老人たちの顔はなかなか覚えられない
でも、老人たちは自分をよく覚えているようだ






これほんと、
めちゃめちゃゾゾーーーっとする話ガーン


自覚があるなしに関わらず
見えない悪意を感じるガーンガーン



そして、「老人の多い団地に住む新婚夫婦」という設定が

「夫婦になること」の不気味さ、いびつさをさらに浮き彫りにさせる


なんていうんでしょう

「恋人どうし」や「カップル」だったら
「秘め事」とされていたはずのことが


「夫婦」となったとたん
踏み込んでいいみたいなルールになるところありますよね真顔


子供は?
休日の過ごし方は?
夜の回数は?

なんてね


自分自身が「夫婦」としての扱いに慣れていくうちに
そのへんは無頓着に、あけすけになるのかもしれないけど


今度は男女としての「秘め事」の部分が
味気なく集中できない感じになるんでしょうね


知らない人に見られながらだと集中できませんもの。多分。



白昼堂々プレゼントされるランジェリー
見知らぬ人から当然のように聞かれる家族計画
団地のよその部屋から聞こえる声
悪意のある匿名ブログ
夫が夜を埋めるように次々買う映画のDVD


うわ~!ゾワゾワする!



では、この話の「そこへ行くな」はどこのことか



やっぱ「よその夫婦」

そして、「夫婦」側も踏み込まれないように

不用意にいろいろ明らかにするのも考えものだなぁと思う

踏み込んで当たり前みたいなコミュニティーにも「行くな」