そこへ行くな
井上荒野

ガラスの学校
年老いた母親がバス事故で亡くなった
夫に離婚を迫られている長女
生前、母と同居していたわがままな二女
他界している二人の父親。
横暴で放蕩な男。病に苦しんで死んだ。
長女の夫が連れてきた『恋人』
急に家出をした二女の行き先
長女にヘルプを求める二女の夫
誰も本当の気持ちは、全部は言わない。
勢いに任せてだいたい全部は言っていても
肝心なあと少しは言えなかったりする
そのせいでいくつも齟齬が生じる
誰が一番悪いとも言えない
みんな少しずつ利己的で(個人的には姉妹の夫はどっちも不気味)
みんな少しずつ真面目な
痛々しいような「ぞわぞわ感」のある短編だと思いました
最後に姉妹どうしが少しだけ気持ちをさらけ出せたのは救いだと思った
では、この話の「そこへ行くな」はどこのことか
「ガラスの学校」かな?
作品の中ではあまり詳しく触れられなかったけど
なんだかこの世じゃない場所みたいな不吉な感じがした
または
「よその夫婦」かなぁ
それぞれの夫との「夫婦」という単位にまとまったら
たとえ姉妹や母娘などの近しい間柄でも
奥までは踏み込めないし踏み込むとろくなことがない
とでもいうか…
仲良し夫婦に見えてても、ここは地雷原よ~






