家日和
奥田英朗



妻と玄米御飯


小説家の夫。

これまでたいしたヒット作もなく、妻もパート勤めしながら子育てをしていたが


ある日、夫が売れっ子の小説家になる。

お金持ちになり、妻もパート勤めを辞め、幸せかと思ったら


妻は一気にロハスで自然派な生活に傾倒していく。


玄米御飯を強いられたり、なにかと不便な思いを味わった夫は

ちょっとした腹いせにこれを題材に小説を書こうと目論むが…



ユーモアにまとまってるけど


実はこれけっこう怖い話だと思った滝汗



まずひとつに、人の金銭感覚や生活レベルがありありと上がる瞬間が見えるキョロキョロハッ

ちょっとした外食や旅行だけでは実は金銭感覚や生活レベルは変わらない



普段の暮らしぶり=この小説でいうところのロハス生活

そこが一変することで一気に金銭感覚や生活レベルはアップして、
今度はなかなか戻せないものなのではないだろうか滝汗

  
一度こだわり始めた調味料はなかなか今までのモノに戻せないよねガーン


次に、こういう生活の理念って、
追いすぎると宗教っぽくなること


宗教もロハスもけなすつもりはないですけど気づき
 
こういうのってどこまでやっても終わりがないし、結局気持ちの問題が大きい


それだけに、突っ走りはじめたら誰にも止められないガーン


もし家族がこんなふうになったら怖いだろうなぁ凝視


妻が玄米御飯を炊くことも

護摩行をしてるくらい踏み込めない領域に行ってしまったように思えるだろうな滝汗

 

そして物語の終盤、夫は仕事でちょっとしたピンチに陥るのだけど

その時の妻の様子から



やっぱりお金持ちになっても、それはそれで不安というか
喪失感があったのかなと思ったショボーン


それを埋めるためになにかに傾倒する必要があった。
それがロハスだった。



どこの人間関係においても、もちろん家族においても

「この場所には自分の役割がある」
と思えることって大切なんですねニコニコ