家日和
奥田英朗

グレープフルーツ・モンスター
自宅でデータ入力の内職ワークをしているアラフォー主婦
発注元から来る担当者が最近変わった
なんだか非常識な感じの若い男性。
主婦は、ちょっとカチンとしながらも
その担当者に会った夜はエロい夢を見るようになる
これ、めーーっちゃ不思議な話だと思いました



「ヘンな気分になりかけたけど、気の迷いだった危ない危ない
」

というところまでスッキリと結末があるわけじゃなく。
超イケメン男子が現れてドキドキ
って感じならまだしも

あきらかに不愉快な男なのになぜか膨らむエロ妄想
エロい夢の描写が妙に細かいのに
相手は「グレープフルーツみたいな怪物」というのもなんだか不思議
野暮は承知で分析してみると
主人公(主婦)の心の奥底にある劣等感
若い担当者を下品で非常識だと見下す気持ち
年齢的なホルモンバランスの乱れ

自分のことを「オバサン」だと自覚し
担当者の男の言動からなんとなく、自分の仕事が馬鹿にされてるのを感じとっている
だけどもその担当者だって、非常識で頭も悪そうだし、言葉遣いもなっていない
尊敬できる相手ではないのに
だけどなのか、だからこそなのか
直接的な肉体の感触を敏感にキャッチしてしまうのは、、
ホルモンバランスの乱れだとしか思えないんだが…
見下してる相手だからこそ燃えるみたいな?
いやほんと、この短編集でこのお話だけ妙に浮いてるくらい不思議